院長による医療ミニ解説

肺CT検診のメリットとデメリット

メリットは何といっても、胸部X線写真(胸部Xp)では発見できないような影をCTでは見つけることができることです。

 

胸部Xpは肺全体を1枚の写真でみるのに対し、CTは肺を約100枚にスライスして断層写真にします。CTでは情報量が単純計算で100倍、胸部Xpより見えるものが桁違いに多くなります。見えるものが多ければ、見つかるものも多くなるのは当然であり、小さな肺がんも見つかりやすくなります。

 

特に胸部XPでは心臓の裏、肋骨や血管と重なるところなど、死角になるところがあり、CTはその欠点を補ってくれます。胸部XPの死角にできた肺がんは数cmまで大きくなるまで 発見されません。CTでは5mmの肺がんでも見つけることはできます。

 

一方、CTのデメリットは見つかった影がどういう性質なのかはっきりということができないということです。

 

「CTでなんらかの影があります。肺がんの可能性が高いです。でも、手術してみたら、肺がんでなかったという最終診断になることもあります。」というような説明を今まで何百回と患者さんにしてきました。患者さんにとって手術するかしないかは一大事です。その決断を患者さんに任したことも少なくありません。

 

手術するのか、CTで経過観察するのか、CT画像だけで肺がんと分かれば手術を勧めるにしても強く勧めることができるのですが、肺がんか肺炎かどっちでも有り得るような影を示すことがよくあるのです。患者さんに結果説明をする前に結論がでず、患者さんに説明しながら、患者さんの反応、顔色をみて、患者さんと相談しながら方針を決定することもよくありました。

 

検査の感度は高いけれど、診断がつかないこともある。それがCT検査の弱点です。

  • 2018.01.17 Wednesday
  • 17:02

院長による医療ミニ解説

肺がんの早期発見

肺がんは非常に治療成績の悪い(予後が悪い)病気です。国立がん研究センターの最新の調査によると、2016年にがんで亡くなった患者さんのうち最も多い病気は肺がんです。新たに診断される癌の中で、肺がんは胃がん、大腸がんに次いで3位ですので、胃がんや大腸がんと比べて肺がんは治療成績が悪く、死亡率が高いことが影響しています。

胃がんを早期発見するため、健康診断としての造影検査(いわゆるバリウム検査)、上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)が非常に普及しています。一方、肺がんの早期発見として普及している検査は胸部X線写真喀痰細胞診です。しかし、健康診断で早期発見される肺がん患者さんは多くはなく、見つかっても進行がんか、そもそも見つからない肺がん患者さんが多数います。早期発見できなければ、健康診断で肺がんが見つけられても救命できない可能性が高まります。

 

もっと感度の高い検査を導入する必要があり、肺CT検査がオプションとして付けられている健康診断コースもよく見かけるようになりました。

胸部X線写真よりCT検査は感度が高いのですが、肺CT検診にはメリットとデメリットがあります。

  • 2017.12.24 Sunday
  • 21:52

院長による医療ミニ解説

X線と医療

X線はドイツの物理学者であるヴィルヘルム・コンラート・レントゲンが1895年に発見した放射線の一種です。



X線のXは数学の「✘」で、未知の放射線という意味であったようです⁑。





X線を使って撮影した胸部の写真のことを、英語では「chest X-ray」、日本語では「胸部X線写真」もしくは「胸部レントゲン写真」と呼びます。日本では発見者の名前をとったレントゲン写真の方が通りが良い印象です。レントゲンという人名を残したのは日本の近代医学がドイツから伝わったことが関係しているのでしょうか。ちなみに医師の間では、「レ線」と略して言うこともあります。




肺の診療にはX線が不可欠です。脳や腹部骨盤臓器、骨は磁気を使用するMRIも有用ですが、肺はMRIではよく分かりません。肺の組織はMRIでは解像度が低く、X線を使用したCTスキャンの方が肺の検査では重要です。





 



⁑参考 ウイキペディア


  • 2017.11.29 Wednesday
  • 22:19

院長による医療ミニ解説

COPDの病態

ロウソクの火を消すときをイメージして下さい。大きく息を吸って、ふうーと息を一気にはきますね。ゆっくり息をはいてもロウソクの火は消えません。COPDの患者さんは一気にはく息のスピードが健康な人よりも遅くなっており、ロウソクの火を消すのが難しくなります。

人は息を吸って空気を肺に取り込んだのち、肺から気管支、気管を通って外界に空気をはき出します。空気の通り道である気管支が狭くなっていると、空気抵抗が強くなります。そのため、息をはくのに時間がかかります。ストローをくわえて息を吸ったり吐いたりするのと同じです。COPD患者さんの気管支は慢性的にずっと狭くなっているので、呼吸をするのが大変なのです。

 

COPD患者さんのほぼすべてが喫煙者もしくは元喫煙者です。
タバコの煙は毎日気管支粘膜に刺激を与え続けるので、気管支粘膜は慢性的に炎症を起こします。毎日起こす炎症を毎日修復するため、気管支粘膜が次第に肥厚し戻らなくなります。その結果として気管支内腔が狭くなり、COPDを発病します。

 


 

  • 2017.11.23 Thursday
  • 11:59

院長による医療ミニ解説

COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病名について

「あなたの病気はCOPDです」と言って、理解してくれる患者さんはまずいません。日本人の死因の第10位はCOPDですが、COPDの知名度はとても低いです。COPDはアメリカやヨーロッパが命名した名前で、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseを略したものです。日本名は英語名を直訳し、「慢性閉塞性肺疾患」となりますが、日本語名の方がさらに覚えにくい病名となっています。

 

COPDという病名ができる前は、慢性気管支炎や肺気腫と呼んでいましたが、この二つの患者さんを分けても治療法は同じであり、COPDという一つの病名にまとまりました。その結果、医学的には非常に分かりやすい病気となりました。つまり、呼吸機能検査で一秒率が70%未満であり、可逆性がない(=元に戻らない)病気のことをCOPDと定義したのです。 

アメリカ人にとって英語名の略語であるCOPDは馴染みやすくても、日本人が覚えるのは困難でしょう。

医師には馴染みのある病名の一つにAMI(心筋梗塞)があります。AMIを一般の日本人に覚えてもらうのが難しいのと同様、COPDを覚えてもらうのは無理ではないかと私は思います。

 

慢性閉塞性肺疾患を略して、「閉塞肺」「気管支閉塞」のような日本語名を作った方が良い気がします。

 

 

☞「COPDに関するよくあるご質問」はこちら

  • 2017.11.05 Sunday
  • 09:41

スタッフの身近な出来事

市民健診

こんばんは☆
スタッフです。

10月も中旬となりますね。年内の仙台市市民健診の期間は、10月末までとなっています。年内に受診を検討している方はお早めに受診してくださいね(^-^)/

年に一度の健康チェックで、自分の体を守りましょう!

私事ですが、先日アメリカのサンディエゴに行ってきました。サンディエゴの海岸では、アザラシがのびのびお昼寝している横で水泳大会が開かれていてビックリしました!!(゜ロ゜ノ)ノ

  • 2017.10.09 Monday
  • 22:33

スタッフの身近な出来事

予防接種

JUGEMテーマ:予防接種

おはようございます!
スタッフです(*´∀`)

明日からインフルエンザの予防接種が始まります。
抗体がつくまでに2〜3週間かかりますので、流行する前の接種を推奨しております!

ただ、予防接種の時期は混み合う事が予想されますので、お時間に余裕を持ってお越し下さい(*´∀`)
院内にパンフレットや雑誌等も置いてあります。待ち時間に是非!!


↑読むと意外と面白く、リピーターさんもおります(о´∀`о)



↑仙台の飲食店が掲載されているので、こちらも大人気です(´∇`)


 

  • 2017.10.01 Sunday
  • 06:32

スタッフの身近な出来事

楽天

JUGEMテーマ:予防接種

おはようございます。スタッフです。

生まれて初めてプロ野球の試合を見に行きました!勿論、楽天です!
野球のルールも知らないのですが、打ったら盛り上がり、打たれたらハラハラし、楽しかったです♪( ´▽`)


プロ野球はそろそろ終わりを迎えますが、秋から風邪引きさんが多くなる季節です。特にインフルエンザは、すでに学級閉鎖になってしまった学校があるそうで…
うがい手洗いをしっかり行い、風邪予防をしましょう!
うがい手洗いと合わせて、当院では10月2日からインフルエンザ予防接種が始まりますので、いらしてくださいね。

 

当院のインフルエンザワクチンのご案内はこちら


試合を見に行って、貰ってきたタオルです。みんなで予防してインフルエンザを抑えましょう!

 

  • 2017.09.26 Tuesday
  • 07:30

院長による医療ミニ解説

睡眠時無呼吸症候群 その3 検査について

 

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)を診断するためには2種類の検査が必要です。

 

 まず、クリニックにSASが疑われ患者さんがいらした場合、問診および日中傾眠の程度を評価するアンケートに記入してもらいます。

その結果、SASが疑われる場合、まずスクリーニング検査(簡易SAS検査)を行います。

そして、スクリーニング検査でSASが疑われれば、診断確定のための詳しい検査(PSG)を行います。

 

 ヾ憤廝咤腺啗〆

 この検査は自宅で行います。検査器具を貸し出しますので、ご自分で寝る前にモニターを2種類付けて頂きます。一つは指に挟む洗濯バサミのようなモニターで、血中の酸素濃度を一晩中測定し記録します。もう一つは鼻につけるモニターで、鼻に出入りする空気の流れを測定記録します。翌朝、ご自分でモニターを外し、検査器具を返して頂きます。その器具を病院やクリニックで解析します。

 その結果、1時間あたり5回以上の無呼吸があると考えられた場合、次の検査に進みます。

◆.櫂螢愁爛離哀薀侫ー(PSG)

 PSGでは血中酸素濃度、鼻の気流以外に、脳波、胸郭と腹部の動き、筋電図を測定します。PSGでは、脳波で眠っていない時間帯が分かるので、その時間帯を削除することで睡眠中の無呼吸の正確な回数が分かります。そのため、スクリーニング検査よりは1時間あたりの無呼吸の回数が増えることが多いです。

 PSGはモニターの数が多く、ご自分で装着するのはかなり難しいため、通常は入院で行います。当院では入院設備がないため、近隣の病院を紹介しています。

PSG

 PSGの結果、1時間あたり5〜15回の無呼吸があれば軽症SAS、15〜40回の無呼吸があれば中等症SAS、40回以上の無呼吸があれば重症SASと診断します。20回以上の無呼吸があれば、後述するCPAP療法の適応となります。

 

➡当院HPでもSASの検査紹介をしています。

  • 2017.09.18 Monday
  • 14:03

院長による医療ミニ解説

風邪と喘息

JUGEMテーマ:喘息

 

「風邪の時だけ喘息になります。」「季節の変わり目だけ喘息になります。」

と、患者さんによく言われます。

 

日本語として正しいですし、意味もよくわかります。しかしながら、医師、特に呼吸器内科医としては以下のように訂正したくなります。

 

「風邪の時、季節の変わり目に喘息のコントロールが不良になります。」

 

喘息はコントロールする病気であって、治る病気ではありません。

当院ホームページでも記載していますように、気管支喘息の患者では、症状があってもなくても、アレルゲンによって気管支粘膜が慢性的に炎症を起こしています。

 

つまり、高血圧や糖尿病と同じように気管支喘息は慢性の病気ですので、年単位という長期間にわたって治療が必要です。症状がないからと言って高血圧や糖尿病の治療を中止してしまうとどうなるでしょうか。血圧や血糖がいつの間にか上昇し、脳出血や糖尿病性昏睡など致命的な状況になってしまうかもしれません。喘息も同じで、治療を中止してしまうと、喘息の大発作を起こし、命の危険が出てきてしまいます。

 

最近は喘息をコントロールする薬として、一日1回の吸入薬も出てきています。

吸入薬のお勧めの使用方法として、

薬を洗面所に置いておき、朝の歯磨き前に一回吸入し、歯磨き後のうがいと一緒にノドの奥もうがいして、余分な薬を洗い流します。そうすれば、吸入を忘れることなく、声枯れといった副作用を予防できます。吸入薬は気管支に直接薬が届いて作用しますので、全身性の副作用はほとんどありません。

吸入を継続すれば、1年間にわたって風邪をひいても季節が変わっても、多くの患者さんでは喘息発作を起こさずにすみます。

 

当院ホームページでも喘息について記載しています

👉喘息についてよくあるご質問

  • 2017.09.13 Wednesday
  • 16:59