院長による医療ミニ解説

COPD(慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、慢性気管支炎)の治療

 COPDの最も大切で効果の高い治療はなんでしょうか。

 

⇒それは禁煙です。

 

患者さんにそのように説明すると、とても残念そうな顔をよくされますが、禁煙に優る治療法はありません。医学も進歩しており、COPDを治す薬があると思う方が多いようです。しかしながら、残念なことにそのような画期的な治療は今のところありません。

 

COPDは一種の老化現象であり、タバコを吸っていなくても150歳くらいまでもし生きれば全員COPDになってしまいます。タバコを吸うと、老化スピードが速くなり、若くてもCOPDになってしまいます。それが肺年齢の考え方です。禁煙すれば肺の老化スピードを遅くすることができるので、COPDになる前に天寿を全うすることもできます。

 

息を大きく吸って一気に吐く際、最初の一秒間で吐ける息の量を一秒量と呼び、COPDの重症度は一秒量できまります。最重症のCOPD患者さんでは、一秒量は健常人の30%未満になります。

 

最近多くのCOPDの治療薬が開発され、処方可能となっています。COPD患者さんが自覚する咳や息切れといった症状をこれらの薬で軽くすることができます。しかし、禁煙しなければ、薬でCOPDの進行を止めることはできません。薬を使用するにしても禁煙してもらうことが原則です。

  • 2018.05.05 Saturday
  • 22:11

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市民健診のご案内

4月の市政だよりと一緒に、”市民健診のご案内”が届いてるかと思います。

今年度は実施期間が昨年とは異なり、特定健診は6月から、基礎健診は7月から開始され9月で一旦終了となり、追加で1月に再度実施となります。

40〜74歳の国民健康保険に加入されてる方は、特定健診の対象者となり申込不要で直接受診券が送付されますが、35〜39歳・75歳以上の方など基礎健診の対象者は申込が必要となります。昨年度74歳で今年度75歳になられる方は申込が必要になりますのでご注意下さい。

 

昨年度は予約制ではありませんでしたが、今年度は予約制となっております。

9月末、1月末は大変混み合う事が予想されますので、お早目のご予約をお勧め致します。

健診のご予約は、お電話でも可能となっております。

気軽にスタッフまでお問い合わせ下さい。

 

 

  • 2018.04.11 Wednesday
  • 08:00

院長による医療ミニ解説

肺気腫と肺腫瘍の違い

 医師なら誰でも知っているこの2つの病気の違いがわかるでしょうか。医師としては常識的な医学用語なので、患者さんに病状説明するときに、何の事前説明なくこの病名を使ってしまいます。

 

 「あなたの病気は肺気腫です。タバコが原因です。」と説明すると、自分は肺に出来物(腫瘍、がん)ができたと思ってしまう患者さんが少なからずいます。あせ

 気腫と腫瘍にはどちらも“腫”というガンをイメージする文字が入っているからだと思います。“腫”とは元来「はれる」、「むくむ」、「できもの」を意味する漢字です。腫瘍に“腫”が使用されるのはよくわかるのですが、気腫に“腫”が使われるのはなぜでしょうか。

 

 ここからは想像になるのですが、最初の「気腫」は今で言うところの「皮下気腫」を示していたのではないかと思います。何らかの原因で肺から皮膚の直下(皮下)に空気が漏れると、首や顔の皮膚の下に空気が貯留しますァンパンマン。その状態を皮下気腫と呼び、ひどいと顔や首がパンパンに腫れあがってしまうため、「はれる」「むくむ」を意味する“腫”にピッタリの状態です。

 肺気腫の患者さんのレントゲン写真をみると、肺に空気が異常に貯留しています(=過膨張と呼びます)。そのような肺を見た人が、気腫という言葉を思いついたのではないでしょうか。

 

 患者さんに病気を説明するとき、「COPD」という用語をつかうべきか、「肺気腫」をつかうべきか、それとも「慢性気管支炎」をつかうべきかでよく悩みます。現実的にはすべての用語を使って説明してみて、患者さんの顔をみて、理解してくれていそうな用語を選択します。

  • 2018.02.25 Sunday
  • 10:18

院長による医療ミニ解説

肺CT検診のメリットとデメリット

メリットは何といっても、胸部X線写真(胸部Xp)では発見できないような影をCTでは見つけることができることです。

 

胸部Xpは肺全体を1枚の写真でみるのに対し、CTは肺を約100枚にスライスして断層写真にします。CTでは情報量が単純計算で100倍、胸部Xpより見えるものが桁違いに多くなります。見えるものが多ければ、見つかるものも多くなるのは当然であり、小さな肺がんも見つかりやすくなります。

 

特に胸部XPでは心臓の裏、肋骨や血管と重なるところなど、死角になるところがあり、CTはその欠点を補ってくれます。胸部XPの死角にできた肺がんは数cmまで大きくなるまで 発見されません。CTでは5mmの肺がんでも見つけることはできます。

一方、CTのデメリットは見つかった影がどういう性質なのかはっきりということができないということです。

 

「CTでなんらかの影があります。肺がんの可能性が高いです。でも、手術してみたら、肺がんでなかったという最終診断になることもあります。」というような説明を今まで何百回と患者さんにしてきました。患者さんにとって手術するかしないかは一大事です。その決断を患者さんに任したことも少なくありません。

 

手術するのか、CTで経過観察するのか、CT画像だけで肺がんと分かれば手術を勧めるにしても強く勧めることができるのですが、肺がんか肺炎かどっちでも有り得るような影を示すことがよくあるのです。患者さんに結果説明をする前に結論がでず、患者さんに説明しながら、患者さんの反応、顔色をみて、患者さんと相談しながら方針を決定することもよくありました。

 

検査の感度は高いけれど、診断がつかないこともある。それがCT検査の弱点です。

  • 2018.01.17 Wednesday
  • 17:02

院長による医療ミニ解説

肺がんの早期発見

肺がんは非常に治療成績の悪い(予後が悪い)病気です。国立がん研究センターの最新の調査によると、2016年にがんで亡くなった患者さんのうち最も多い病気は肺がんです。新たに診断される癌の中で、肺がんは胃がん、大腸がんに次いで3位ですので、胃がんや大腸がんと比べて肺がんは治療成績が悪く、死亡率が高いことが影響しています。

胃がんを早期発見するため、健康診断としての造影検査(いわゆるバリウム検査)、上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)が非常に普及しています。一方、肺がんの早期発見として普及している検査は胸部X線写真喀痰細胞診です。しかし、健康診断で早期発見される肺がん患者さんは多くはなく、見つかっても進行がんか、そもそも見つからない肺がん患者さんが多数います。早期発見できなければ、健康診断で肺がんが見つけられても救命できない可能性が高まります。

 

もっと感度の高い検査を導入する必要があり、肺CT検査がオプションとして付けられている健康診断コースもよく見かけるようになりました。

胸部X線写真よりCT検査は感度が高いのですが、肺CT検診にはメリットとデメリットがあります。

  • 2017.12.24 Sunday
  • 21:52

院長による医療ミニ解説

X線と医療

X線はドイツの物理学者であるヴィルヘルム・コンラート・レントゲンが1895年に発見した放射線の一種です。



X線のXは数学の「✘」で、未知の放射線という意味であったようです⁑。





X線を使って撮影した胸部の写真のことを、英語では「chest X-ray」、日本語では「胸部X線写真」もしくは「胸部レントゲン写真」と呼びます。日本では発見者の名前をとったレントゲン写真の方が通りが良い印象です。レントゲンという人名を残したのは日本の近代医学がドイツから伝わったことが関係しているのでしょうか。ちなみに医師の間では、「レ線」と略して言うこともあります。




肺の診療にはX線が不可欠です。脳や腹部骨盤臓器、骨は磁気を使用するMRIも有用ですが、肺はMRIではよく分かりません。肺の組織はMRIでは解像度が低く、X線を使用したCTスキャンの方が肺の検査では重要です。





 



⁑参考 ウイキペディア


  • 2017.11.29 Wednesday
  • 22:19

院長による医療ミニ解説

COPDの病態

ロウソクの火を消すときをイメージして下さい。大きく息を吸って、ふうーと息を一気にはきますね。ゆっくり息をはいてもロウソクの火は消えません。COPDの患者さんは一気にはく息のスピードが健康な人よりも遅くなっており、ロウソクの火を消すのが難しくなります。

人は息を吸って空気を肺に取り込んだのち、肺から気管支、気管を通って外界に空気をはき出します。空気の通り道である気管支が狭くなっていると、空気抵抗が強くなります。そのため、息をはくのに時間がかかります。ストローをくわえて息を吸ったり吐いたりするのと同じです。COPD患者さんの気管支は慢性的にずっと狭くなっているので、呼吸をするのが大変なのです。

 

COPD患者さんのほぼすべてが喫煙者もしくは元喫煙者です。
タバコの煙は毎日気管支粘膜に刺激を与え続けるので、気管支粘膜は慢性的に炎症を起こします。毎日起こす炎症を毎日修復するため、気管支粘膜が次第に肥厚し戻らなくなります。その結果として気管支内腔が狭くなり、COPDを発病します。

 


 

  • 2017.11.23 Thursday
  • 11:59

院長による医療ミニ解説

COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病名について

「あなたの病気はCOPDです」と言って、理解してくれる患者さんはまずいません。日本人の死因の第10位はCOPDですが、COPDの知名度はとても低いです。COPDはアメリカやヨーロッパが命名した名前で、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseを略したものです。日本名は英語名を直訳し、「慢性閉塞性肺疾患」となりますが、日本語名の方がさらに覚えにくい病名となっています。

 

COPDという病名ができる前は、慢性気管支炎や肺気腫と呼んでいましたが、この二つの患者さんを分けても治療法は同じであり、COPDという一つの病名にまとまりました。その結果、医学的には非常に分かりやすい病気となりました。つまり、呼吸機能検査で一秒率が70%未満であり、可逆性がない(=元に戻らない)病気のことをCOPDと定義したのです。 

アメリカ人にとって英語名の略語であるCOPDは馴染みやすくても、日本人が覚えるのは困難でしょう。

医師には馴染みのある病名の一つにAMI(心筋梗塞)があります。AMIを一般の日本人に覚えてもらうのが難しいのと同様、COPDを覚えてもらうのは無理ではないかと私は思います。

 

慢性閉塞性肺疾患を略して、「閉塞肺」「気管支閉塞」のような日本語名を作った方が良い気がします。

 

 

☞「COPDに関するよくあるご質問」はこちら

  • 2017.11.05 Sunday
  • 09:41

スタッフの身近な出来事

市民健診

こんばんは☆
スタッフです。

10月も中旬となりますね。年内の仙台市市民健診の期間は、10月末までとなっています。年内に受診を検討している方はお早めに受診してくださいね(^-^)/

年に一度の健康チェックで、自分の体を守りましょう!

私事ですが、先日アメリカのサンディエゴに行ってきました。サンディエゴの海岸では、アザラシがのびのびお昼寝している横で水泳大会が開かれていてビックリしました!!(゜ロ゜ノ)ノ

  • 2017.10.09 Monday
  • 22:33

スタッフの身近な出来事

予防接種

JUGEMテーマ:予防接種

おはようございます!
スタッフです(*´∀`)

明日からインフルエンザの予防接種が始まります。
抗体がつくまでに2〜3週間かかりますので、流行する前の接種を推奨しております!

ただ、予防接種の時期は混み合う事が予想されますので、お時間に余裕を持ってお越し下さい(*´∀`)
院内にパンフレットや雑誌等も置いてあります。待ち時間に是非!!


↑読むと意外と面白く、リピーターさんもおります(о´∀`о)



↑仙台の飲食店が掲載されているので、こちらも大人気です(´∇`)


 

  • 2017.10.01 Sunday
  • 06:32